□『色』
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俺は今日ラックに「黒と赤の服、どっちが似合う?」と聞かれ「どっちも似合わない」という、とんでもないことを言ってしまった。




アイツはそんな派手な色じゃない。

そう言ってやりたいが、その頃にはきっと殺られてる。




こっそりと、市場の中を行き交う人々に紛れるように歩いていった。

キョロキョロと辺りを見回していると、突然叩かれる肩。

振り向いた頃にはもう遅く、拳によってぶっ飛ばされる。


あぁ、これはヤバいと悠長に俺は思う。

青ざめた顔で、ゆっくりと太陽と逆光になった女を見上げた。




『やっと見つけたわよアリババ?顔かせや

「あーっと………そこまでキレることねぇだろ」




そう言えば怒りで真っ赤になった顔。




『もう付き合いきれないわ。いっぺん、死ね!




最高潮に怒らせてしまい、とうとう馬乗りになってナイフを振りかざしてきた。

俺はそれを上手くかわしながら形勢逆転、ラックの両手首を掴み押し倒す。


















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