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□『Sea route』
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どんなあなたも愛してる。
Sea route
あぁ、頭にくる。
一体あたしはどうしたらいいのだ。
……でも今回は完全にあたしが悪いわよね。
部屋の隅っこで項垂れているアラジンを見る。
どうやったら、あれだけ落ち込めるのだろう。
『アラジン、一緒にご飯食べに行こっか!』
「…………」
『あ、あはは……さっき食べたばっかりだもんね』
額に青筋が浮かんだ。
本当に嫌になる。
その原因は、さっきアラジンに抱き着かれそうになったときに言った言葉。
「近づかないで。あたしガキ嫌いなのよ」は、さすがにキツかったかと今更後悔した。
『えーっと、じゃあ、散歩にでも行こっか』
「…………」
相変わらずアラジンは壁に頭を預け、どよ〜んとした空気を纏っている。
仕方がないじゃないか、あのときあたしは機嫌が悪かったのだ。
偉大なる創世の魔法使い、「マギ」。
そんな凄い肩書を持っているのに、今の彼はただの子供だ。
いや自分が大人気なかったのかと溜息をつく。
。