チェシャネコの悪戯

□寂。
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「寂しい」

この一言を口にすることが、これ程勇気の要る事だなんて思いもしなかった。

君と離れて分かったんだ。

いつも君ばかりに無茶をさせていたことが。

電話の向こう側で「寂しい」と呟く君の姿を思う。

ああ、僕はいつも君にばかりこの言葉を言わせていたね。

ごめんね?

僕が寂しいと思ってる今。

君も寂しいと思っているんだよね?

君が帰った来たら真っ先に言うよ。

「寂しかったよ」って。
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