longstory

□初めての喧嘩
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私は、今さっきまで没頭していた花冠の製作の手を止めた



出来上がった冠は、甘い香りを放ち、絵本から抜け出たような姿に満足した


早速乗せてみるものの、自分の金髪に黄色いタンポポはあまり映えない…


私は、うとうとしはじめているシカマルの頭にそっと乗せてみた



シカマルの真っ黒な髪の毛に、タンポポの黄色が綺麗に並んでいて、思わず口元を緩める


(シカマルが付けたら孫悟空みたいだなぁ)


「シカマル」


「…」

私は、いつの間にか、スヤスヤと寝息をたてて、瞼を閉じているシカマルに声をかけるが、返事が返ってこない


「ねぇ…シカマル?」



シカマルは呼んでも起きてくれない


私は、夜叉丸の言葉を思い出した



『困ったときに開けて下さいね』



私は、自分の首からぶら下がっている赤い袋を開くと、中に酢昆布が一枚入っていた


「シカマル!酢昆布あげるから、起きてってば」


「酢昆布…」



ようやく起きたシカマルはまだ寝ぼけているみたいで、中々たとうとしない



「早くいこう、暗くなってしまう」

「めんどくせぇ…」


「お前…お使いの途中だぞ?」


「もうめんどくせぇ…眠い…先帰ればいいじゃねぇか」


立たせようと引っ張ってみるが動かない



「はぁ…もう知らないからな!」


私は、酢昆布をしゃぶったまま、ピクリとも動こうとしないシカマルに苛立って、買い物袋を引ったくると、1人で家路についた。



(同じ道だし1人で帰れる、シカマルも自国なんだ、1人で帰れるだろう)








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