story
□special meeting
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(今日も里は穏やかだ…)
そう心の中で呟き、粗方片付けた書類の残りに判を押していく
その作業も馴れたもので、就任当初から比べたら、かなり早くこなせるようになったと思う。
自分から求めた道ではあるが、やはり今まで叩き込まれてきた戦術や修行…
あの頃は、決して仲が良かったとは言えないが、担当上忍のバキや姉兄とこなしてきた任務…
今、思い起こせば、後悔することも多いが、良い思い出である。
風影になった今、自分もテマリやカンクロウのように、任務に行きたいと願っても、叶わぬ夢である。
時に、テマリとカンクロウを同じ隊で任務に見送るとき
少し羨ましくも思う。
そして、前線の任に尽かせておきながら、テマリに傷一つでも付ける忍びがいるのであれば、この手で…いや…それは出来ないな
何故なら、俺が戦闘に入る時は、戦争が起こりうる時か、里内に敵が攻めいって来たときの緊急事態の時だけだからだ。
(想像しただけで、背中の砂がざわめく…)
しかし、テマリは一度も傷をおって帰って来るようなことはなかった。
カンクロウは念のためつけているようなものだから、わざわざ気にかける必要はないな
元々、デスクワークよりも体を動かしている方が性に合う…
(テマリやカンクロウのように全身を動かすのではなく、もっぱら砂を動かすのだが…)
とはいえ、一国の影を名乗る以上、いつ何どき敵が来ても対処出来るようナマリは禁物だ。
だから、このように時間が空いた時は修行に励んでいる。
最近、俺の…いや砂の宝であるテマリにちょっかいを出している中忍風情がいると聞く。
(やっと戻りかけている姉弟の絆に水をさすとは…いい度胸だ)
認めない、認めないぞ!奈良シカマル!!
体内のチャクラが瞬時に沸き上がるのを感じる
俺は砂を固めて、黒髪を高く結い上げて猫背気味の中忍の形を型どると、手をかざした。
あのやる気のなさそうな顔は我ながら良く出来ていると思う。
だが、それだけでは物足りないので、実際よりも身長を低めに作ってやった。
(フン…どんなもんだ!)
おっと、いかん…テマリの癖が出てしまった。
もう一度気を取り直して…
「砂漠柩…!」
今日も砂のしまり具合は絶好調だ。
(そろそろ誰かくるころだな…)