好きと言ってない
□第4章
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結局、あのマリコ事件の秘密は説けないまま、次の日がきた。
ホント、あれはなんだったんだろう……。
「はよっす、ブン太」
「おお、琉生」
今日もキラキラしてんなぁ。
「なぁ、琉生、お前頭いいよな?」
「そこまでないけど、何でだ?」
「実はさぁ、昨日マリコの特別握手会があったんだけどな、そこでマリコが俺の名前呼んだんだよ」
「っ……」
琉生は一瞬目を大きく開いたが、すぐにいつもの琉生の顔に戻った。
「それで?」
「俺、マリコに名前で呼んでもらったのは嬉しかったけどよぉ、なんでマリコが俺の名前知ってんのか気になって………」
「俺なら分かるかもってことか?」
「お、おぉ。なぁ、琉生、分かるか?」
「これは俺の勘だけど、ブン太たち並んでる間に結構騒いでたんじゃないか?」
た……確かに………。
「たぶんそれで名前が聞こえたんじゃねぇの?」
「なるほど…」
それならつじつまが合うな。
俺と赤也結構うるさくしてたからな。
「ま、これはあくまでも俺の勘だけどな」
「サンキュー琉生!お前のおかげですっきりしたぜ!」
「それはよかった」
やっぱ琉生はすげぇな!
「あ、ブン太、また昼休み一緒していいか?」
「もちろん‼」