好きと言ってない
□第5章
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琉生が転入してきて数日が経った。
琉生の人気は相変わらずだ。
あんなことがあったのにな。
女子が言うには、そんなとこがクールでかっこいいらしい。
分からなくはない。
琉生が笑う度に俺の胸はときめく。
琉生は男なのに………。
「琉生、今日も早退なのかよぃ」
「悪い!」
琉生は早退することが多くなった。
家の事情らしい。
噂ではどっかの大企業の息子で会議に出席してるらしい。
どれもこれも噂ばかりで、俺は琉生をよく知らない。
琉生が早退する度に俺は琉生が今どうしてるかが気になってしまう。
俺ってキモイかな………。
琉生が聞いたら
「キモイぜブン太」
って言いながら笑うんだろな。
何してんだよ琉生………。