のんびりしたい
□09 逃げるが勝ち
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『ただいまー』
シーン…
『ですよねー』
はあ、まったく私の親はなにをやってるんだ。いつになったら家に戻ってくるんだ。
あ、ちなみに私の両親は自分探しの旅とかいって家にいません。
母が「私、旅にでるわ」とか急に言い出して父が「俺も…ついていくぜ」というようなやりとりをして現状に至るわけですが…。
バカだよな、私の両親バカだよな!?
娘一人おいて旅って頭の中どうなってんだよ!そもそも二人でいく必要あったのか?ないよな。
おかげさまで家事全般はこなせるようになりましたけども。
あー…にしても夕飯作る気しないな…。
よし、コンビニへ行こう!
ピロピロピロ〜
なに買おっかな〜。
ちなみに今のピロピロはコンビニに入るときのピロピロです。
やっぱりここは無難にスパゲッティとかかなー…と私がスパゲッティに手を伸ばそうとしたら誰かに肩を叩かれた。
『………』
「………」
『………』
「……プリッ」
は。
いや、意味わかんないんですけど。
え、なにプリッて。他国の言葉?宇宙人と交信なう?
あれ、てゆーかこの人屋上の不良じゃん。銀髪じゃん。
あー、もしかしてあれか。金がないから貸せみたいなあれか。
なにそれ怖い。
「それ買うんか?」
『いや検討中です』
どうやら金よこせなあれではないようです。良かった良かった。
ひとまず不良くんは無視の方向でお弁当選びに専念しよう。
やっぱりグラタンにしようかなー…と私がグラタンに手を伸ばそうとしたら再び誰かに肩を叩かれた。
『…なんでしょうか』
「それ買うんか?」
いやマジこの人なに?なんでイチイチ聞いてくんの?欲しいの?スパゲッティとグラタン欲しいの?
なんかホント面倒になってきたからグラタンでいいや。とりあえずコンビニから出たい。不良から逃げたい。
私はグラタンを買ってコンビニを出た。