のんびりしたい
□14 いいやつ疑惑
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「………」
『………』
「………」
『………』
「……ちょっと、なんか喋りなさいよ」
え。なにゆえ?
姫路さんは沈黙が苦手なのかな?
私は全然大丈夫だけど。寧ろ姫路さんと話すよりも沈黙の方が楽かな。
ただ私はマネージャー初日で姫路さんに不満があります。いやまあ元から不満はあったんですけどね。
『…姫路さん、仕事してください』
「は?なんでよ。私はレギュラーにタオルとかドリンクを持ってく事しかやらないわよ。それ以外はあんたの仕事。さっき言ったじゃない」
そう言って部室にあるイスにドスンと座る姫路さん。
確かに言いましたよ。言いましたけども。私はやるだなんて一言もいってないからね。
「てかさぁーハッキリ言ってマネージャーなんてやりたくないのよ」
そうですか。
「私はただレギュラーの皆と話す機会が欲しかっただけなの。それでどんどん私の魅力に気付いて私の虜になってくのよ!」
『虜……いや無理じゃないですかね』
「はぁ!!??」
やべーな…。怒らせちゃったかも…。でも本当の事言っただけだからね。普通に考えて好みが全員姫路さんだなんてありえないし。
「あんたバカなの?こんなに可愛い子がいたら惚れるにきまってんじゃない!!」
いた、いたたたたた、イタいよおぉおおぉぉおお!!!
姫路さんってホントイタいわ。可愛くないとは言わないけど自惚れにも程があると思うよ。
「ねぇまだドリンクできないの?」
『いや〜1人でやってるとどうもおそくなってしまって』
「私に手伝えって言いたいの?あんた何様よ」
おまえがな。
だがしかしここでそんな事を言ってしまえば今後がめんどくさいので言わないでおこう。
そんなやり取りを姫路さんとしているとなにか銀色の物体が部室に現れた。
「雅くんっ!」
みてみてこの態度の変わり様。
…雅くん?あれ、雅くんてこの人?まさかの雅くんだった感じ?そんな感じ?
「よう。座敷」
『あはは。どちら様ですか』