wonder Alice.

□04 仕事
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 フェイタンの地獄の特訓を激しさを増している、そんな最中、私はクロロに呼び出しを受けた。
 クロロの呼び出しは今までもちょくちょくはあった。
 向こうの世界の話をするだけだが、結構私にはきついものがある。なんか尋問を受けているみたいだ。
 だから私はやる気なくホームを目指した。

「だんちょーヒナタ=アングレーシアただいま馳せ参じましたー」

 砕けた口調でホームに踏み入れれば、そこにはクロロ以外の団員がいた。
 フェイタンは野暮用で家を空けている。マチは私用でホームにはいない。パクはクロロの用事でどこかに行ってしまった。
 それに加え、フィンクスはふらりとどこかに行ってしまい、シャルナークは遊びに出ているという今だ。
 だからあれだね、こいつはあれだ。

「あー君がクロロの言ってた子かあ」

 ――――ヒソカだ!
 やだ、もう、クロロのバカ! 先に言っておいてくれたら、化粧だってしたし、服だって可愛くしてきたのに!
 髪は櫛も入れてないし(だってフェイタンいないから梳かしても意味ない)顔も洗ってないし(フェイタンry)歯磨きはしたけど(気持ち悪いから)。
 でも、でもでもでーもー!

「で、僕が呼ばれた理由ってこの子?」
「一緒に仕事をして欲しい、悪いが、空いてるのがお前ぐらいだったからな」
「団長権限使うほどの何かがあると思ったのになあ、それとも、この子ってそんなに凄いの?」
「さあな、シャルに用意させた資料だ。ざっと目を通せ」

 あ、でも私顔をほとんど隠してるから意味ないか、と、ここでやっと気づいた。
 思考が後追い状態だ。

「クロロが狙うまでも無い物じゃないか」
「入門編のようなものだ」
「で、僕のご褒美はもちろん、君、だよね」

 それでも髪はダメだ。どうしよう、ちょっと時間を貰って身だしなみを整えたい。
 と、言うか待って、クロロは何の理由で私を呼んだ? ヒソカとの顔合わせの機会をわざわざ作るとは思えない。

「――――ヒナタ、話は以上だ。何か質問は?」
「服を着替えたいです」
「却下だ。というかお前話しを聞いてたのか」

 痛いところを突かれた私は、顔が見えないのを良いことに盛大に苦笑いした。





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