wonder Alice.
□26 我愛你
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今までのおさらい。
私ことヒナタ=アングレーシアは探し求めていた愛を見事ゲッツ! そしてそのままフェイタンにプレゼンツ! 私の愛の旅これにて完! と……いうわけもなく、むしろこれが始まりだったり…するの……かにゃあ?
私の目の前に立つクロロは、髪をオールバックにし、いつものコートを着ている、団長バージョンだった。
「まず俺がお前に言う言葉は二つある…」
「は、はい…」
団長であるクロロの偉大な発言を拝聴するため、何故か私はザ・正座の真っ最中である。
そもそもこのハンター試験に来れたのも、今目の前にいる我らが団長のおかげなのです。ありがとう団長。マジイケメン団長。きゃー抱いてー……くらい言っておくべきだろうか?
私は、髪を下ろしてプライベート状態の団長には強気に出れるけど、蜘蛛の団長としてのクロロに対してはほんとに弱い。
なんだろうオーラなのかな。こう、カリスマオーラみたいな! 普段はマジでニートみたいなのにさ…反則だよにー……。
「まずは――合格おめでとう」
「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
「は?」
なしてみんなそんな大声で叫んでいるのですか? 団長が私に「おめでとう」と言うのがそんなに意外なんだろうか…。
団長、あなた団員にかなり冷たい人だと思われてますよ。…なんか可哀想だ。
「クロロ、酷い! 俺のヒナタとラブラブ一泊二日の旅を返してよ!」
「シャル黙るね。…団長、ワタシを差し置いて許さないね」
「……ふふ」
いやいや団長「ふふ」とかカッコつけてる場合じゃないよ? なんかみんなすっごく殺気立ってるよ? いいの? 団員同士のマジギレご法度でしょ?
その前にシャルナークの一泊二日の旅ってなんだ! そんなの聞いてないよ! 無理無理、フェイタンがOKしてくれるわけ無いじゃん。馬鹿なの?
後、フェイタン、こんなところで念能力発動しないでね。周りの迷惑考えよ!
「と……脳内で様々なツッコミが駆け巡りました」
「そうか」
「団長がわざわざ来てくださるなんて、光栄の極みです」
「そんなかしこまる必要はない。普段通りにしろ」
「…はあ」
なんでそんなに嬉しそうなんですかねえ(困惑)
嫌な予感しかしないんですけど…。
「二つ目は――夜景の見えるレストランを予約したから楽しみにしていろ、だ」
……は? ぱーどぅん?
「!? 団長、ヒナタはワタシと食事の約束してるね」
「だからなんだ? 俺の後にすればいいだろ」
「ふざけるのやめて。あんなの卑怯ね」
「くく……それをお前が言うのか? 奪うのが俺たち、だろう?」
いやいやいや……。
何勝手に話を進めてるんだい? 僕ちゃんはOKも何もしていないし、そもそもなんでクロロと二人で夜景の見えるレストランに行かないといけんの? はあ?
助けを求めるようにマチとパクを見ても、二人は既に諦めているのか肩をすくめて談笑している。
待って、二人共私を見捨てないで!
「クソッ、団長に先を越されちまったな…」
「負けちまったなら仕方ねえ! おいノブナガ、飲み直そうぜ!」
「……そうだなぁ。そんじゃヒナタ、先に飛行船に戻ってるぜ」
「あう…」
ノブにもウヴォーにも見放された…。もうダメだ…。
「ちょっと待ってよ!」
ああ! シャル、そういえばあなたもいたんだ! 最後の助け、お願い、この状況を何とかして…!
「先にヒナタとデートするのは俺なんだよ!」
ちっげーよ!!!!
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