ラブアリス
□05 愛故に
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あれれ〜、おっかしーなー?
さっきまで私の手にあったはずの携帯は、今はなぜかキルアくんの手の中にあった。しかも電源まで切られてしまった。えーと、長電話禁止? キルアくんは私のママンだったのね!
なーんて現実逃避しつつも、私はキルアくんの様子が普段とは違うことに気づいていた。そのくらいの観察眼はあるのでぃすよ。えっへん!
「キルアくん、ゴンくんはいいの?」
「……」
「えーと、携帯を返してもらえると嬉しいかなーって……電源を切るとパパンがうるさいんだよね」
「……」
「あう」
ダメだ! 取り付く島もない! 万事休すだ!
俯いて黙ってしまったキルアくんを見つめる。細くて白い腕や足は相変わらずで、少年独特の愛らしさも変わらず健在だ。ああ、可愛いよ〜ハスハス!(おまわりさんコイツです!)
なんてキルアくんを楽しく眺めていると、キルアくんは顔を勢い良く上げて私を睨みつけてきた。私の悪しきオーラを感じ取ったのかもしれない……すいません。
「ヒナタ」
「サーイエッサー!!」
「は?」
「なんでもないです……」
キルアくんに冷めた目で見られちゃった。ぐすん。
「おまえやっぱり俺たちとこいよ」
「へ」
「俺はゴンと……ヒナタで旅がしたいんだ。色んな物を見て、たくさん遊んで、ずっとずっと……」
「キルアくん?」
キルアくんの体は震えていた。あの大きな猫目が潤んでるようにさえ見える。え、これは幻? 幻術なの? 敵の念攻撃だったりするの?
私は状況を飲み込めないまま、キルアくんの切ない願いを聞いていた。
「ヒナタは俺が嫌いなの」
「大好きです!!」
嫌いとか、そんなのある訳ないし! 好きだし! めっちゃ好きだし! スキスキスキスキのダブル攻撃だよ! 好きの相乗効果だよ!
ん? 何言ってるんだ私は、馬鹿か? アホなの? 死ぬの?
ああもうキルアくん可愛すきだよ〜! そんなに可愛いと悪い人にイケナイことされて大人の階段の……(自主規制)
「なら俺をヒナタの特別にしてよ」
「……にょるべ」
なんか変な声出た。
「えっと、キルアくんは特別だよ? 正直に言えば実の弟と天秤にかけたら勝てると思うよ、ガチ本気で」
あのイルミの求婚だってキルアくんが実家暮らしだったらOKしてたかもしんないし、うん。……フェイタンにバレたら殺されるかもしれにゃいけどね。あはは。
そもそもなしてそんな話になったの。
やっぱり私がキルアくんを迎えに行かなかったことにより、キルアくんへの私の愛が疑われてしまったの!? そうなのね!? マイガッ!!
「安心して、私はキルアくんを愛してるよ!」
私はそんなキルアくんの不安を吹き飛ばす勢いで、目の前のキルアくんを力いっぱい抱きしめた。
ここが公共の場だとか、セクハラだとかは今は関係ねえ! ただ私のキルアくんへの愛を爆発させねばならないのです! アイラブキルアくん!
「おまえ……ぜってー意味分かってねえだろ」
「分かってるよ! 本当にごめんねキルアくん! 私達は友達だよ! ううん親友だよ! もういっそ家族だよ!!」
ようこそヒナタファミリーへ! ゴンくん共々歓迎するよ!
私の頭の中はまさにお花畑、天国です。常にハ〜レルヤ、ハ〜レルヤと歌っているのです!!
「……ヒナタ、ちょっと体離して、俺の方を見ろ」
「??? うん」
私は言われたとおり、キルアくんを抱きしめたまま少し体を離した。ああ、一時も離れたくないよマイプリンセス……(おまわりさんコイツry)
キルアくんと私の身長差でいうと私のほうが高いので、キルアくんを真っ直ぐ見つめるために少し顔を下げる。うん、可愛い。肌も美しい。……って、こんな至近距離だと私の肌荒れがバレてしまうじゃないか!
十二歳ショタと十九のババアの肌を一緒にしないで!(ロリの方の言い分だと、十五以上はババアだそうですよ? 万死ですね(ニコリ))
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