ゴーストハント
□第一章
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今日はいつもより早く登校した。
普段ぐずぐずと朝の準備をする麻衣を急かし、慌てて家を飛び出すのが恒例となっていたので、少し物足りない気分になった。
だがそんな思いも桜並木の美しさでふっ飛んだ。
二人でほくほくと桜並木を潜って校舎の方に行きかけてたら、麻衣が突然歩みを止めた。
「どうしたんだよ」
忘れ物でもしたのか?と不思議そうに彰は尋ねた。
「ううん。あのさ、旧校舎見に行かない?」
「旧校舎?昨日話してた噂のこと?」
夕べ麻衣の帰りが遅かったので訳を問い質してみたら、友達と怪談をしていたと言う。
その時かなり見てくれのいい、だがどこか胡散臭い美男子が現れたという話しは一先ず置いといて。
「確かめに行くのか?」
一応疑問系で聞いてみたが、麻衣の中では既に決定事項だろう。
「もちろん!」