ゴーストハント
□第二章
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放課後、二人は渋谷氏に呼び出された。
渋谷氏の話しによると、ビデオカメラは見事に壊れ、助手である男の人─リンさん─は左足を捻挫してしまい、復帰するのに暫くかかるという。
莫大な借金を抱えてこれからを地獄の様に生きるか、それとも、ゴーストハントとかいう心霊現象の調査事務所の助手代理をするか。
大変お優しいことにどちらがいいか選ばせて下さった。
だが、答えは火を見るより明らかだ。
「手伝わせて下さい」
二人とも即決だった。
言ってしまった以上、腹括るっきゃない。
例え人使いが荒くても、例え人をバカにするような言動をとられても、例えナルシストでも。
しかし人には限度ってものがある。
「ったく!何様だいあの男は!」
彰はと違い、理解力の乏しい麻衣は渋谷氏から受ける専門的な用語をもちろん分かるはずなく、たびたびバカにされていた。
そんな態度に怒りの限界がきたのだろう。
「しかもなに、あのナルシストっぷり」
今日からあいつはナルシストのナルちゃんだ。
「あー…。本人の前で言うなよ、あんまり」
理由聞かれたら何て答えればいいか分かんないし、素直に答えたら絶対氷点下の怒りを買うに決まってる。
「まぁ、怒られるのは麻衣だけどな」
言い出しっぺは麻衣だから。
「えぇ〜!」
「五月蝿い、静かにしろ」
二人がいる旧校舎に渋谷氏ことナルが戻ってきた。
何故二人が旧校舎にいるかというと、ナルの仕事を手伝う為だ。
二人が空き教室で棚を組み立てている間に、ナルは機材を取りに旧校舎を出て行った。
その隙に麻衣は溜まっていたものを吐き出すかのように、言いたい放題だった。
聞かれていないか内心びくびくである。
「あのぉ〜」
おずおずと若干笑顔をひきつらせながら、ナルに問いかけた。
「明日の放課後、また来てもらう」
そんな麻衣を無視して、彰に向かって言い放った。
二人は声を揃えて
「まじっすか!?」
と叫んだ。