甘き香り、陽炎に似て
□children's party
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部屋の隅にあるカレンダーに、何気なく目をやって、ふと気付く。
日本にいれば縁がないハズの、そのイベントは
ここ数年、妙に騒がれて世の中に浸透しているらしい。
何も準備をしていないどころか、
当日の今、そのコトに思い当たった自分が参加するには、足りないモノが多過ぎる気がした。
あーぁ、とベッドに倒れ込む。
ぎし、と軋む音が耳について、
にやり、と口角をあげてみた。
【children's party】
例え、あの頃に戻ることが叶わなくても。