甘き香り、陽炎に似て

□believed it
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「そんな事したって、俺にメリットないだろ」

俺が冷たくあしらっても、目の前の少女は、笑顔で首をすくめるだけだった。
そういう動作が、幼い外見に輪をかけている事に、自覚がないんだろうか。

「でも、デメリットもありませんよね?」
「あるぞ。疲れる」

後の事を考えると、さらに。
だが少女は、そんなものはデメリットに入らない、と一蹴して、とっとと明日の予定を説明し始めた。
予定、といっても大した事はないのだが。

全く身の入っていない俺を見て、彼女はメリットらしき事柄を並べ立て、説得までしてくれる。
適当に聞き流していたのだが、不覚にも最後に少し、反応してしまった。
目ざとく、少女がニヤリと笑う。



【blieved it】




でも…そうだな。
確かにそれは、気になるかもしれない。
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