甘き香り、陽炎に似て

□Sweet Sweets Day
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「ちぇっ、何だよ、あいつ」
「はわー、今日は一段と、ご機嫌ナナメだったねぇ」

置いてけぼりを食らった2人は、嵐の去った後を、ぼんやりと眺める。
しばらくぼーっとして、気が済んだのか、どちらともなく朝食をとり始めた。





「…亮子ちゃん、作るだけ作って、食べていかなかったんだね」
「ん?あぁ…何やってんだかな」

苦笑する香介の目が、いつものように優しいのを確認すると、理緒は満足気に頷いた。

「じゃ、亮子ちゃんのご機嫌、とっといてね」
「はぁ?何でわざわざ…」
「こーすけくん、デリカシーなさすぎ」


先に行くよ、と理緒も早々に席を立つ。




「今日は私も、ちょっと意地悪しちゃったからねー…」

毒づきながらも、朝食を食べる事に集中していた香介には、理緒の呟きは届いていなかった。
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