甘き香り、陽炎に似て

□St. White Day?
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…他人には、どう見えてるのかな?



香介と2人、街を歩く。
亮子は、ショウウインドウや車のガラスに映る、自分達の姿を、ひたすら眺めていた。

高校生の男女が歩いていたら、普通は恋人同士に見えるものなんだろうか。
そんなに顔も似ていないし、事情を知らない人には、まさか兄妹には見えないだろうけど。





でも。





よりによって、香介と自分だしなぁ。
なんて考えては、亮子は溜め息を繰り返していた。

大体、ガラにもなくそんな事を考えているのは、出掛けに理緒が散々「デートだ」の「ずるい」だの騒いでいたからなのだが。
いつもは、そういう事は言わないクセに。
…やっぱり、機嫌とっとかないとな。

考えに無理矢理、一段落つける事に成功した亮子が、顔をあげた瞬間、後ろから知らない声に呼ばれた。
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