甘き香り、陽炎に似て

□SHOOTING☆STAR
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リビングでうとうとしていた香介は、急に騒ぎ出した2人の声で、目が覚めた。

「理緒、そろそろ時間だよっ」
「はう〜、やっぱ、あんまりよく見えないねぇ」
「うーん、電気消してみよっか」

窓から、2人並んで身を乗り出しているらしい。
香介は2人の会話を聞いて、リビングの明かりを消した。自分の方が、窓辺にいる2人よりスイッチに近いのである。

「わ!香介、起きてたのかい」
「オメェらの声で、目ェ覚めたんだよ」

寝癖のついた髪を、乱暴に整えながら香介も窓辺に近付く。
むっとしている亮子の頭を軽く叩いて、理緒の頭上からその視線を追った。

「空に何か、見えるんか?」
「こーすけくんてば、知らないの?今夜は流れ星が見えるんだよ」
「…ながれぼし?」

きょとん、とする香介を尻目に、彼女達はまた窓辺に張り付いた。
まったく似ていない2人なのに、妙に気は合うらしい。
こっちの方がよほど興味深い、と香介は密かに思っていた。
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