セピア色に滲む光に
□When is your birthday?(with01)
1ページ/9ページ
「1月11日、ですか」
赤毛の少年は、きょとん、としながら、自らが師と仰ぐ、目の前の少年の言葉を繰り返した。
色素の薄い、柔らかそうな髪が、振り向いた彼の動きに合わせて、ふわりと揺れる。
「そ。覚えなくても良いぞ」
「…はぁ」
「でも、お祝いはヨロシク♪」
それはつまり、覚えていなくてはならないのではなかろうか。
リベザルは、自分の赤毛を抱えて、覚えようと努め始めた。
「うーん…1月、1月11日…じゅういちにち、じゅう…いちがつ?」
既に怪しくなっている。
ちら、と師匠こと深山木秋の様子を見てみると、彼は機嫌よく、部屋の中を物色していた。
がちゃがちゃと、物をひっくり返したりしているので、部屋の主人にとっては、迷惑極まりない行為である。