セピア色に滲む光に
□When is your birthday?(withZAGI)
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「…え?」
きょと、と赤毛の少年が首をかしげる。
その目の前で機嫌良さそうに、にこにこしているのは、彼が師と仰ぐ、深山木秋である。
「ま、赤タワシには、わかんないかもな」
「タ、タワシじゃありませんっ」
「じゃ、ブラシ?」
「違いますっ」
「あぁ、試験管ブラシか」
「違いますってば!」
「秋、またリベザルをからかってるんですか?」
「あー、兄貴〜」
リベザルが涙目になりそうになった時、良いタイミングで座木が顔を出した。
手には良い香りのするお茶と、カラフルなお菓子。
それを見たリベザルの涙は、一気に引っ込んだ。
我ながら現金だとは思うが、こればっかりは仕方ない。
ぱっと瞳を輝かせた少年に優しく微笑むと、座木は2人の前に各々カップを置いた。
「で?何の話をしていたんです?」
やたらと機嫌の良さそうな、店長に問う。
彼は2、3度瞬いてから、ニッと笑った。