セピア色に滲む光に

□my name…
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【ま】


マントが欲しい、と言ったら、ザギに渋い顔をされた。

「…何に使うんです?」
「お?ってことは、どっかにあったっけ?」
「使用用途次第で、お教えします」
「そりゃマントと言えば変身変装、防寒具としては旅のお供にも最適デス」
「今時マントを着て歩いていたら、目立って仕方ありませんよ?」
「大丈夫。ゼロイチんちの前で着るから」

ぴた、と一瞬、ザギの動きが止まった。

「…肝試しの季節は、もう過ぎましたよね?」
「何、ボケてんだ。季節は秋、もうすぐハロウィンだろ?」

人差し指を立てて宣言すると、ふぅ、と溜め息をつかれる。

「あちらの棚、3列目の右手、手前から2番目の最下段に入っていましたが」

ザギの説明を聞きながら、既に足はそちらに向いていた。
だが、問題の場所にマントらしきものは見当たらない。

「ザギー?ないぞ?」
「が、リベザルと柚之助くんがハロウィンの仮装をするというので、貸出中です」
「ちぇ、先を越されたか」

ザギの様子からして、他にマントはないのだろう。
新しく手に入れるか、他の仮装にするか。
もう一度、考え直しだ。



『まんと』

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