水平線、飛び越えて

□20140531
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【香亮】

「何で傘持ってねぇんだよ」
「たまたま忘れただけだろっ香介のくせにうっさい!」
「せっかく迎えに来てやったのに、その態度はなんだ!」
「あたしは頼んでないっ」

埒があかない。差し掛けた傘に怯む亮子の腕を引いて、強引に歩き出す。
途端に小さくなる彼女の肩は、まだ抱けないけれど。
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