Dぐれ

□Happy Birthday YU!
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今日は年に一度、愛しい貴女の誕生日。
そんな貴女の誕生日にこれを贈ろう。





「かーんだっ!」
「ん?どうした?」


普通に神田の部屋に入っていく僕。
そんなことも当たり前のように気にしない神田。
今日誕生日ってこと覚えてるのかな…。
とりあえずこっちを見ようとしない神田にこれを渡そう。
きっと知らないだろうな、この意味。


「神田、誕生日おめでとうございますっ!」
「嗚呼、あ、そうか。今日はそんな日だったか…」


やっぱり覚えてない…!まあいいや。
そんなことが重要なんじゃない。これ渡すのが重要だ!
しかし相変わらず神田はこっちを見ない。
少しぐらい見て欲しい。


「神田、これプレゼントです…!」
「は?……薔薇、いっぱい…」
「はい。全部で101本ありますからねっ!」
「えっ…、なんで…そんな…」


神田がやっとこっちを見てくれて。
少し困ったように眉をひそめてる。
でも顔真っ赤。とっても可愛い。
でもやっぱり知らなかったんだ、この101本の薔薇の意味。


「知ってますか?神田。101本の薔薇って。最高に愛してる。永遠への到達。って意味があるんですって」
「…はぁ?…えっ」


やっと少しは通じてくれたのかな。
神田の顔はもう真っ赤、をとおりこしている気がするんだけど。


「愛してますよ、神田。永遠に。…ね?」
「っ…、馬鹿!うぅ…」


あげた薔薇をぎゅうと握り締めてそっぽ向く神田。うん、いいものが見れた気がする。
神田の誕生日だけど、これだけでいい気もする。
やりすぎは逆に良くないからね。


「以上です、じゃあね、神田。ハッピーバスデー!」
「あ、ああ…ありがとな…」
「……!はいっ!」


神田から、はじめて、ありがとうって言ってくれた。
もう僕は満足だ。死んだって後悔しないくらい。


大好き、神田。愛してる。



end

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