♪ dream
□(短編)空色の髪飾り
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「はあ、今日も疲れた…」
山崎は夕暮れの商店街をとぼとぼと買い物袋を提げて歩いていた。
先日の聞き込みが捗らなかったため、
今日はそれを挽回するために足が棒になるほど歩き回ったのだ。
「しかも、帰りにマヨネーズ買って来いとか、
完全にパシリじゃねーか」
屯所を出る前に、
山崎は土方からマヨネーズの買出しを頼まれたのだった。
その数、十本。
一本五百グラムを、十本。計五キロである。
右手に二・五キロ、左手に二・五キロ。
屯所まではまだ一キロほどある。
額にはうっすら汗が滲み出ていた。
「パシリっていうか、修行だな、これは」
ぶつぶつと山崎が恨み節を呟いていると
ふと、
夕日にきらりと反射した光が山崎の双眸をとらえた。
「ん?」
その光の出所が
小さな店の中であることに気づいて足を止めた。
「髪飾りだ」