04/12の日記

22:50
マンガ『恋する文豪』
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買ってみました。
なんと、教科書を出しているあの東京書籍からの出版ですw
日本の萌え文化もここまで来たかーって思いました。

書名の表す通り、中身は作家たちの恋愛模様です。
漱石、太宰、鴎外、谷崎、芥川、光太郎、
中也、啄木、川端、藤村の恋愛を扱っています。
時代は明治、大正、昭和初期あたりです。
この作家たちの並び順が、時代順に並んでいないところがちょっと残念です。
それと、
ファンや研究者の方には大変失礼な発言なのかもしれませんが、
中原中也や光太郎は詩人であって、文豪とまとめるのはそぐわない気がします。
それと、BL系は川端担当じゃなくて、もっと適任な人がいるでしょーが!仮面を被って告白した人がいるでしょうが。


でも、
内容はマンガレベルでライトな感じで手に取るなら、
すごくいいなーって思いました。
絵は綺麗だし、うまく脚色されてまさに恋愛マンガって感じに仕上がっていると思います。

実際はもっとドロドロしていたり、
人間的にどうしようもないクズだったりするのですが、
そんな部分を見事に削ぎ落として書いてあり、
ちゃんとロマンチックになっています。

谷崎は奥さんを友人に譲渡しようとするした上に
それを新聞で発表するという
とんでもない男なのですが、マンガで見ると
許せてしまうというマジックw
(あ、でも、谷崎はマンガより実際の方が
 美男子だと、わたしは思います)


ということで、
高校生で日本近代文学に興味がある人、
または、大学で日本近代文学を専攻にしようと
思っている人にはうってつけだと思います。
星4つです。


でも、もしこのマンガを読むなら
テクスト(小説)を読んだあとに読んでほしいなぁと思います。

たとえば、
鴎外の「舞姫」、太宰の作品なんて特に
事実を基にしているように見えて
ちゃんと彼らの装飾が施してあるように思えるので
作家ありきで読んでしまうのはもったいないです。

つまり、
このマンガをテクストの多様な解釈を阻害する可能性があるということです。
お気をつけてお読みください。



というか、
今調べたら、
「文豪シリーズ 第1巻:吾輩たちは文豪である」という
CDまで出てるんですねw
萌え文化は、本気で日本文学すら消費しようとしているんですね。まるで焼畑のようにw


鏡花、漱石、藤村、谷崎、芥川などが登場するみたいです。
しかし、そこになぜか坂口安吾が…。
なぜ谷崎の探偵小説の影響を受けた江戸川乱歩が登場しないのですか…。
谷崎と芥川が出てくるなら、佐藤春夫が出てきてほしかった…。
CDには編集長なる人が登場するみたいですが、
その人が中央公論でバリバリのやり手編集長であった滝田樗陰でありますように…。


言いたいことは尽きませんが、とりあえず、
日本近代文学好きとして、CDすべて購入しようと思います。

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