06/30の日記

02:26
攻殻機動隊Arise
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見てきました。


ネタバレはちょっとあります。お気をつけください。
批判がメインなので、
そういったコメントを不快に思われる方はスルーをお願い致します。



最初から期待していませんでしたが、
残念ながらその期待通りでした。


まず、この映画は肉弾戦を見せ場にしているようですが、
SACシリーズの方がよっぽど魅力がありました。
劣化したナルトを見ている感じです。
全然魅力的に感じません。
IGなら、SAC以外にも精霊の守り人とか、
すっごいアクションを見せてくれていたと思うんですが残念です。


ストーリーには、電脳化であること、擬体であることが
かなりキーポイントとなるはずが、
電脳をそれほどかっこよく使いこなせていない気がします。
攻殻らしいキレがないというか…。
その前に、
そのテーマはGTSやイノセンスで散々使われたネタでしょ?と思うんですよね。
SSSは神山さんがこれまでのネタをちょっと新しくして
映画にしましたという感じですが、
この作品は新しさがまったく感じられませんでした。


わたしはこれまでの攻殻作品の電脳の使い方に
かっこよさを感じていました。
わたしには全然理系の知識もないし、
頭の回転も良くないので
彼らが電脳を鮮やかに駆使する姿に憧れ、SFの魅力や爽快感を感じていました。
情報を駆使することで
身体能力以上の力を発揮できる超人的な能力を
駆使することへの爽快感と言ってもいいのかもしれません。
それがサイバーパンクSFである攻殻としての独特の世界観を構築していたと思うのですが、
今回の格闘重視のariseにはその魅力を感じることができませんでした。
もしかするとこれから二回、三回と見れば、
イノセンスのようにネタとしては高度なことを言っているのかもしれませんが
演出が追いついていない気がします。
電脳世界の攻殻機動隊で作品を作っているんだから
いくらSACとは別物だと言っても
そこはちゃんとしなきゃダメでしょうと思います。


また、格闘重視の割に
キャラクターデザインが格闘に適していないことがあげられます。
素子はあの豊満で健康的な肉付きの体を駆使するから美しいのであって、
あの細い体にはなにも魅力はありません。
もし細い体を使いたいなら、もっと戦闘シーンをオサレにして、
コーネリアスが作ったEDのような音楽を流し、
スタイリッシュに仕上げなくてはいけないと思います。
モデル体系細身オサレ素子を使うなら
ペルソナ並にオサレwに仕上げるべきです。
戦闘シーンが中途半端にリアルなので
それが素子のオサレ肉体との齟齬を生み出している気がします。
動きがカクカクすぎてさらにかっこ悪くさせているようでした。
せっかくオサレ音楽のコーネリアスを起用したのなら、
もうちょっと曲の使用について考えるべきかと思います。
コーネリアスとサリュがもったいないです。
コーネリアスも悪くないし、
サリュはリリシュシュの頃から好きです。
攻殻と切り離して、
単体の音楽として聞くなら最高なのにどうしてこうなったのか…。


坂本真綾は大好きですが、
それほど期待してはいませんでした。
ariseの声も悪くはなかったと思いますが、
やっぱりあっちゃんかなとは思います。
ただ、Ariseの素子はクールビューティというよりは
ただ怒りっぽい無口な女の子という感じで
真綾さんの魅力が出にくかったように感じます。
アニメのスタッフの細かい役割については分かりませんが、
もうちょっと素子を魅力的に描けなかったのか…。
SACのような冷静沈着な素子の前段階として
まだ青二才の素子を描くことが目的だとしても
あれでは無表情でヒステリック過ぎます。
原作に忠実に作るならばもっとウィットにかわいらしく、
オリジナルで行くとしても、
幼い頃から死ぬか生きるかの死線を乗り越えてきた「女性」であることを
意識しなくてはいけないと思います。
まだ未熟な部分はあるけれど
ウィットやニヒルさや可愛らしい弱さを持ち合わせてほしかった。



そして、メカニックが格好良くなかった…。
わたしはまったくのド素人ですが、
何ていうか、精密さが微塵も感じられませんでした。
もしゴツさを強調したメカニックデザインなら
ゴツさをもっと強調して
かっこいいというレベルまで引き上げてほしいです。
素子と同じ服の色のバイク…。
ロジコマも色が一緒…。

また、
敵の女の子ロボットはかっこ悪いです。
趣味ですか?ロリコンですか?
女の子たちが異形の姿となり
一斉に襲いかかってくるシーンは爆笑しました。
あのロボットがあんなに可愛らしい女の子である意味は何だったのでしょうか。
次回にその秘密が明かされるのだとしても
もうちょっと説明は欲しい気がします。


また、謎の敵さんたちが着ていた服は
暁の服と似すぎじゃないですか?
いくら悪役っぽく見せたいからと言って、あれは無いと思います。
服についてはまだ言いたいことがあります。
モブの服、
今のわたしたちが着ている服まんまじゃないですか。
2027年でしょ、近未来でしょ、ちょっとは考えてくださいよ。
素子だけ浮いてますよ。


最後に、わたしは攻殻の
「俺ってすごいこと考えてるんだぜ」っていう感じが好きでした。
GISにしてもイノセンスにしても
アニメもすべて、壮大なことを語ろうぜ!もっと考えようぜ!
というところがあり、すごく好きでした。
哲学書や宗教、有名な作家のテクストを引用し
これから起きるかもしれない社会の問題を再現しようとしているところが良かったんです。
それがうまくサイバーパンクSFと融合し
9課というそれぞれの魅力を引き出し、
起伏に富み、考えさせる力を持った面白さを与えていたように感じます。
わたしはそういうのが大好きで攻殻を見ていたのです。しかし、ARISEにはそれがない。
GISにもイノセンスにもSACにもあったものが
ARISEにはない。
わたしにとっては魅力減です。悲しいことです。



以上、延々と批判してきましたが、
上記に挙げたことが、
ARISEという作品の狙いであるかもしれません。
まったく作品を理解していないド素人が言っていることだと思って
多めに見ていただければと思います。
とりあえず、
自分の中に湧き上がったことを、
泣きたい気分で筆にまかせてツラツラと書き記したかったんです。

こんな批判をしておきながら、
次回の攻殻も見にいくと思います;
まだ諦めきれないーw

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