08/04の日記

19:39
『丕緒の鳥』
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読みました。
ずっと前に買って、積ん読状態でした。

yomyomで「丕緒の鳥」と「落照の獄」は読んでいたので
その他二篇はどんなものかなーと思っていたのでした。

さすがNHKで放送された作品。
今回も道徳の教科書に載せても大丈夫です。
十二国記シリーズは少女版の中島敦。
さすがです。
今回のものは、最後があっさりとしていて、大人向けなのかなと思いました。
これまでは、ちゃんと頑張った人はちゃんと報われる書き方になっていたけれど、
今回はそうじゃない。
生を賭してがんばったけど、目に見えて報われるわけではない。
人の暮らしというか、民の姿というか、
そんな自然に近い形で書かれていたようです。


でも、同様の雰囲気でこれがもう一冊出るのであれば
もう買わないと思います。
こういうのを読みたければ、
ゾラとかモーパッサン。
あとは、スタンダール、バルザック、フロベールなんかを読めばいい。


わたしが何でファンタジーを読むか。
それは、ふぁああああ!!って気分を味わうためですw
わたしはこの夢の無い現実と戦って、折り合いをつけあがら生きてるんです。
だから、せめて小説やアニメでは
ふぁああああ!!って鮮やかな夢を見させてくださいよ。


内容はともかくとして、文体が美しいです。
ほどよく重く、そして華美すぎない。
乾いた感じがあって、それでも無味乾燥なわけでもない。
一文が短すぎない。
文末の処理がコンスタントにうまい。
素晴らしいです。

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