06/09の日記

01:06
山本文緒『アカペラ』
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を読みました。
楽しく読めました。

「アカペラ」「ソリチュード」「ネロリ」の三篇で構成されています。

「アカペラ」と「ネロリ」は
語り手二人が交互に入れ替わり、
一つのストーリーを紡いでいく感じでした。

「アカペラ」の主人公は中3〜高1の女の子で、
こういう表現で若さを出すのはちょっとやりすぎだろうとか思うところもありましたw
川端の「眠れる美女」を思い出しました。

「ソリチュード」の主人公はスガシカオさんぽかったです。
書き出しは明らかに太宰だろー!ってなります。
出落ちですw


山本さんはゴバルト文庫で書いていらっしゃたということでライトノベル出身みたいです。
喪女っぽい女性の内面とどうしようも無いクズ男の描写がうまいなぁと思いました。
全体的に、何となく
〈老人・壮年ー少女〉というロリコンっぽい感じが漂っていたり、近親相姦っぽい雰囲気があったり、
ちょっと耽美的な匂いがしました。

わたしの中では、
唯川恵や江國香織よりは断然好ましかったです。
吉本ばななは、越えられないかも。
山田詠美の少年少女もの(?)である眠れる分度器とか
蝶々の纏足、風葬の教室を越える作品はなかなか無いですね…。


次は円地文子の「朱を奪うもの」を読みます。
めちゃくちゃ重く濃厚な話みたいなので、
がんばって読みますw

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