舞台裏
□同期1
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「おーい、レオニードどこまで行ったんだ?」
遠くから、レオニードを呼ぶ声が聞こえてきた。
おそらく、彼の取り巻きであろう。
「ごめん、今行くよ!」
その声にレオニードが答える。
「じゃあな!」
レオニードはニコライに手を振ると、声のした方に小走りに去って行った。
「動き出さないと始まらないか…
うん、確かにね。
せっかくミリツィアに入れたんだし、もう少し頑張ってみようかな。」
ニコライはカップに残っていた飲み物を飲み干すと
「よし、とりあえず、車、見に行ってみよう!
さっき実習で使った車、エンジン少しおかしかったから、いじらせてもらえるかも。」
ベンチから立ち上がり、ガレージに向かい歩き出した。
勢い込んでガレージまで来てみたものの、そろそろ午後の出動が近いため、面識のない運転組の先輩の姿が多く、やはり気後れしてしまう。
見慣れないニコライに気が付いた1人が、声をかけてきた。
「お前、新規生か?
実習車にでも、忘れ物したか?
そろそろ午後の授業だろ?」
そんな事を聞かれ
「あ、あの…
午前中に実習で使った車、エンジン少しおかしかったから、大丈夫かなって…」
「そっか、ナンバー覚えてるか?」
「あ、はい!!」
慌てて、先輩にナンバーを伝える。
「後で整備士に言っといてやるよ。」
そう言われると、完全に自分の出る幕は無い。
「ありがとうございます。」
ペコリと頭を下げると、ニコライはガレージを後にした。