舞台裏
□同期3
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的に近付くと減速してもらえるので、レオニードの的中率は上がってきている。
最後の的には、発射した6発中5発当てることが出来た。
「ゴールまで飛ばすよ!!」
そう言うニコライを、レオニードは何だか頼もしいな、と思った。
ゴール地点で待つイリヤにリボンを渡す。
「ここまで29分か。
まあ平均だな。
狙撃の点数は、後日通知するからな。」
もし減速しなければ、25分を切っていたかもしれない。
「今日は初めて行った実技の実習だったんで、ガレージに車戻したら特別にこのまま昼休みに入って良いぞ。
午後は爺さんの眠くなる説法授業だ。」
ニヤリと笑うイリヤに
「お疲れ様でした。」
2人は頭を下げて、車は帰路についた。
「今日の実技って、かなり実戦っぽかったよな。
沢山の標的から的を絞って撃つって、難しいけど、ちょっと燃えた。
『金』って色貰えたのも、目立ってて助かったな。
最後の方、けっこー当たるようになったしさ。」
興奮冷めやらぬ顔でレオニードが言う。
「うん。
僕も山道あんなに飛ばしたの初めてで、ドキドキした。」
「ゲッ、初めてって、事故ったら道連れじゃんよー!!
危ねーなー!」
「ごめん、ごめん。
最近コプチェフに教えながら、自分にも出来るんじゃないかなって、ちょっとやってみたかったんだ。」
笑いあいながら、2人はそんな話で盛り上がる。