舞台裏
□同期5
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新規生のペアが発表される。
『運転組・ニコライ=ラベラスキー』
その隣には
『狙撃組・レオニード=チカロフ』
の文字が並んでいた。
自分とペアを組みたがってくれる者がいるのか、と不安ばかり感じていた頃が嘘のようで、ニコライは幸せな気持ちになる。
一緒に発表を見にきたレオニードも、ホッとした表情を見せた。
「良かった。
オレ成績悪いから、ちっと心配だったんだ。
お前、学科も実技も良いからさ。」
「僕こそ心配だったよ。
君と組みたがってる人、沢山いたからね。
ペア希望出してくれて、ありがとう。」
ニコライは心から言った。
「寮も同室希望出そうぜ。
そしたらさ、終わった後、時間気にしないで一緒に居られるじゃん。」
レオニードが甘えるように、ニコライの肩に頬を擦り寄せながら言う。
「うん。」
ニコライも、そんなレオニードのブロンドの髪に頬を擦り寄せた。
2人の後ろから
「人前で、何イチャイチャしてんだよ。」
と声をかけてきた者がいた。
「いーじゃん、幸せなんだもん。」
レオニードがニコライに腕を絡ませたまま振り返ると、そこにはコプチェフがいる。
こちらも喜色満面だ。
「良かったじゃん、お前もボリスと組めて。
オレのおかげだからな!!
何か奢れよ!」
ニヒヒっとレオニードは笑う。
「お前、まだ俺からむしり取る気かよ。」
コプチェフに笑いながら言われても
「今までのは『クジ引いて当たった』んだろ?」
レオニードはシレッとした顔で答えた。
「そうだったな。
どうやってんだか知らねーけど、これからも頼むわ。」
そんな2人のやり取りを、キョトンとした顔でニコライが見ている。