赤の似合う君と

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その会話を最後に、彼は眠りについてしまった。

深い、深い眠り。もう、1年以上経つのだ。


綾里さんが立ち去ってから、私は彼の病室へ向かう。
きっと、私の声じゃ、目覚めてなんてくれない。
美柳ちなみ、は。今最も憎い女。けれど、その女は綾里弁護士によって有罪判決が下った。


『神乃木さん、私は待ってるんですよ…』


届かない言葉を紡いで、白くなった髪を撫でる。
今だから、彼に触れられる。皮肉な事だ。



彼に毒を盛った美柳は死刑判決が言い渡され、さらにその後、綾里さんが二度目に弁護した青年が弁護士になり。


また、新たな展開が訪れる。
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