赤の似合う君と

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『御剣君、綾里千尋が殺されたって本当なの!?』


御剣君の検事室の扉を勢いよく開けて、開口一番に叫んだ。
彼は二つ下の後輩であるが、検事歴は一年しか違わない。彼が私の検事最年少記録を塗り替えてしまったからだ。


「本当だ。昨日の夜、妹の綾里真宵によって殺害された」

『妹さんが…?』

「目撃証言が語っているのだ、間違いないだろう」


渡された資料に急いで目を通す。殺害されたことは間違いないようだ。


『…そんな………』


絶望が走る。神乃木さんが目覚めた時、一番会いたいのは彼女だろうに…


『御剣君、お願いがあるの…』

「ム、なんだろうか」

『…必ず真犯人を裁いて欲しいの』

「その点は心配要らない。綾里真宵に関する証言は揃っている」

『…真犯人を。お願いね……』

「…」


御剣君は、怪訝な面持ちで見ている。無理もない、真宵ちゃんを告発しようとしているのだから。
でも、この矛盾に気づくのは君自身の力でなければならない。
君が気づかなくても、きっと。この裁判の弁護士を務めるであろう彼なら気付かせてくれるだろう。

何せ、彼女の弟子なのだから。


そうでしょ?成歩堂君?
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