赤の似合う君と

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私は取り返しのつかないことをした。

その日のために生きていたのに。


「神乃木さんなら5日前に退院なされましたよ」


私が倒れて一週間後に目覚め、私が退院する前日にリハビリを終えていた。


『おはようって言えなかった…』


私は待ってたよって。

伝えられなかった。

でも、私は心のどこかで、彼は私のいるときに目覚めてくれると思ってしまっていた。

本当なら無理にでも入院中も見舞にいけばよかったのに。


5日経っていれば、もう綾里法律事務所が成歩堂法律事務所になっているのに気づき。

星影弁護士を尋ね千尋さんの死を知り。

倉院の里に訪れて…。

美柳千奈美の判決を知って…

成歩堂君のことを聞いて…。


彼はどこにいったのだろう?


星影法律事務所にいくのだろうか?

私を頼ってはくれないのだろうか?

私は…彼に何も出来ないのだろうか………






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