赤の似合う君と
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あれから8年。
私達の間には女の子と男の子の双子の子供がいて。
今年小学校に上がる。
「お母さん、似合う?」
「お父さん、似合う?」
それぞれが背負って見せる、赤いランドセル。
息子の方も、赤いランドセル。
今はそんなに珍しくないけれど、彼は赤が大好きだ。
…誰に似たんだか。
『うん、似合うよ。もうお兄ちゃんだね』
「ああ、似合ってる。お姉さんだものな」
怜侍は大分子煩悩で。
(どちらかといえば)娘に甘い。
まあ、私も人のことはいえず。
(どちらかといえば)息子に甘い。
お互いの言い分は、
『「(雨月に)(怜侍に)似てるからつい」』
ということで、結局ろくな注意もできない。
それでも、子供達はまっすぐに育っている。
『さあ、そろそろ寝る時間よ。片付けて』
「「もう?」」
「明日、起きられなくなってしまうからな」
『そうね、入学式にお寝坊しちゃったら、1年生になれないかもね』
「「えーっ!?」」
『さ、早く寝よう。片付けたら、歯磨きして』
「「はーい」」
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