赤の似合う君と

□21
1ページ/2ページ



あれから8年。

私達の間には女の子と男の子の双子の子供がいて。
今年小学校に上がる。


「お母さん、似合う?」

「お父さん、似合う?」


それぞれが背負って見せる、赤いランドセル。
息子の方も、赤いランドセル。
今はそんなに珍しくないけれど、彼は赤が大好きだ。
…誰に似たんだか。


『うん、似合うよ。もうお兄ちゃんだね』

「ああ、似合ってる。お姉さんだものな」


怜侍は大分子煩悩で。
(どちらかといえば)娘に甘い。
まあ、私も人のことはいえず。
(どちらかといえば)息子に甘い。

お互いの言い分は、
『「(雨月に)(怜侍に)似てるからつい」』
ということで、結局ろくな注意もできない。

それでも、子供達はまっすぐに育っている。





『さあ、そろそろ寝る時間よ。片付けて』

「「もう?」」

「明日、起きられなくなってしまうからな」

『そうね、入学式にお寝坊しちゃったら、1年生になれないかもね』

「「えーっ!?」」

『さ、早く寝よう。片付けたら、歯磨きして』

「「はーい」」






.
次へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ