TWINKLE

□02
1ページ/3ページ


ふと、目が覚めたら朝の5時だった。私にしては随分と早起きなのだけど、それも当たり前だ。
昨日は昼過ぎに帰って来て、適当に何かを食べて着替えると、夕方には寝てしまったのだから。
本当は少し昼寝をする程度の筈だったのに、少々時間を無駄にした気もする。
まあ、今日は一日休みだし、やりたかったことを片付けよう。



……そう思って、まずは掃除だな。と、早い朝食を食べて洗濯や大方の掃除を終えたのが7時半頃。
一休みしたらお弁当のストックや常備菜を作って、午後はどこか出かけたりリフレッシュしよう。なんて、計画を立てていたら携帯が鳴った。


『…はい』

「ああ、もしもし雨月ちゃん?今日ちょっと出廷してくれないかな、担当責任者の刑事が来れなくなってしまったんだ」

『…』

「もしもし?」

『…何時からですか?』

「午後の1時からだよ、一応裁判が終わるまで居てもらわなきゃいけないから、終わる時間ははっきりとは解らないけど」

『了解…』


電話の声はあのジャラジャラした検事だった。どこで知ったんだろう、私の電話番号……緊急連絡先でも見たんだろうか…。

なんにせよ、私の午後は潰れてしまった。
昨日の帰りに買い溜めをした食材を下ごしらえしながら溜息をつく。職業柄、仕方ないことだとは解ってるけど、ここのところ連続で阻害されていて流石に疲れが溜まってきた。
まして、私は刑事課じゃない。鑑識の仕事をメインにしている私が出廷なんて……。

と、心の中で愚痴を零しながら下準備を終えた食材を瓶やタッパーに詰めて、冷凍庫や冷蔵庫にしまっていく。

私の家は裁判所からは少し離れていて、そろそろ出ないといけない。
裁判の打ち合わせだってあるだろうし。


服装を整えて、鏡を一瞥した後、鬱々とした気分で車のキーをとった。





次へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ