赤の似合う君と
□03
2ページ/4ページ
『ね、御剣君。私なんかのどこがいいの?』
紅茶をいれて、向かい合って座る。
「ム…まっすぐなところだろうか…優しいところにも惹かれた」
口をつけかけた紅茶を離して話す御剣君。
「だが、それが一つや二つ欠けたところで嫌いになる訳でもない」
それがあっての羽影検事なのに、不思議な事だ。
赤くなりながら真面目な顔で呟く彼に、自分も頬が熱くなる。
『聞いておいてなんだけど、言われると恥ずかしいね』
「……羽影検事は…私のどこがよいのだ?」
『…』
何故だろう。いつからだろう。
『気づいたら好きだったから解らない…』
「…」
『いや、えっと…話してる時とか楽しいし、心が落ち着くっていうか…』
言っていてさっきよりずっと頬が熱くなってきた。
『ごめんね、うまくいえないや』
紅茶を飲みながら答えれば、十分だ、と小さく微笑してくれた。