赤の似合う君と

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『ね、御剣君。私なんかのどこがいいの?』


紅茶をいれて、向かい合って座る。


「ム…まっすぐなところだろうか…優しいところにも惹かれた」


口をつけかけた紅茶を離して話す御剣君。


「だが、それが一つや二つ欠けたところで嫌いになる訳でもない」


それがあっての羽影検事なのに、不思議な事だ。


赤くなりながら真面目な顔で呟く彼に、自分も頬が熱くなる。


『聞いておいてなんだけど、言われると恥ずかしいね』

「……羽影検事は…私のどこがよいのだ?」

『…』


何故だろう。いつからだろう。


『気づいたら好きだったから解らない…』

「…」

『いや、えっと…話してる時とか楽しいし、心が落ち着くっていうか…』


言っていてさっきよりずっと頬が熱くなってきた。


『ごめんね、うまくいえないや』


紅茶を飲みながら答えれば、十分だ、と小さく微笑してくれた。
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