赤の似合う君と
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法廷二日目
御剣君とは話せないまま二回目の法廷に入る。
尤も、私は仕事があったから最後の方だけ覗いた。
証人の九太君に苦戦してたみたい。御剣君が白目がちになってる。
(会議になりそうだな)
ニボサブさんを検挙し続けるのは厳しい状況になった。まあ、当然だけど。
会議が終わった夜中、検事室には難しい顔をした御剣君がいた。
『明日が最後だね』
「羽影検事、貴女はどう思う…」
『どう、というと?』
「荷星は、犯人だと思うか…だ。否とすれば誰が」
『それは』
話を切って立ち入る。
『それは君にも解ってるんでしょう?正しいと思うことをしたらいい』
ソファに座る御剣君の後ろから、緩く抱きしめて囁いた。
『君のことだ、その時が来れば自ずと行動すると思うよ』
明日も頑張ってね、と。
休むことを促しながら部屋を後にする。
彼ならきっと、私の助言なんていらないだろうから。
法廷3日目
「判決を言い渡します…
無罪」
今日の法廷は、始めから終わりまで見ていた。
御剣君が。
御剣君が動いた。