赤の似合う君と
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12月28日
「僕は君の無実を信じてるから」
『全て揃ってる、これで最後だよ』
張り詰めた空気。酷い悲鳴が木霊する中、無罪判決が響いた。
「こういう時は"ありがとう"っていうんだよ」
「そうか…あ、ありがとう成歩堂」
「ど、どういたしまして」
『私からもありがとう、成歩堂君、真宵ちゃん』
「うおぉっス!御剣検事!羽影検事!」
『糸鋸刑事、刑事もありがとう。これで皆でお祝いしてきて』
「いいんスか!」
糸鋸刑事にお金を渡して、再び裁判所へ向き直る。
「雨月さんは行かないんですか?」
『私はこれから狩魔の裁判だから』
「貴女が検事を…?」
『まあね。手筈は整えてあったし、手元に証拠は山ほどあるし』
悪戯っぽく、ファイルから証言書やDVDを見せる。
「それは?」
『資料室の録画。これで殺人罪、殺人補助罪、傷害罪、偽証罪、いっぱい訴えられるから。時間かかりそうだよ』
皆でちょっと笑って。
御剣君の方を向く。
『本当におめでとう』
「あ、ありがとう」
また裁判所に戻って、戦った。私の紅い口紅は、勝利のジンクス。
このジンクスは、今でも破られない。
fin