赤の似合う君と
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オマケ♪
『怜侍、初詣いこうよ』
「今からか?」
『うん。また明日待ち合わせるより楽だよ。まぁ、疲れてるなら無理言わないけど』
「いや、行こう」
『ふふ、ありがとう』
コートを羽織って玄関に向かう。
そう遠くないところに小さな神社があった筈だ。
『泊まって貰ってもよかったんだけど…さすがに準備して来なかったよね』
「…準備云々より一人暮らしの女性の家に泊まるのはどうかと思うが……」
『怜侍なら全然構わないよ』
「そのようなアレは…」
そうこう話してるうちに神社について、5円玉を取り出す。
時間帯と、別に有名な神社でないことも合わせて、私達しかいなかった。
5円玉をいれて、手を合わせる。
『…』
「…」
『怜侍は何お願いしたの?』
「む…それを答えると叶わなくなってしまうのではなかったか?」
『あ、そうだっけ』
「雨月は何を願ったのだ?」
『叶わないと困るから教えない』
顔を見合わせて少し笑った。
寒空の下、彼女の暖かい手が、冷たい私の手を握った。
『やっぱり今日泊まっていきなよ。…寒いから』
「…だが」
『明日、お雑煮一緒に食べよ?』
「………解った…」
身を、心を凍らせる冬から、雨月を少しでも守れるなら。
それに、彼女がいれば私も、きっと凍えない。
(貴女が)
(君が)
((幸せでありますように))
fin.