赤の似合う君と

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『大事に至らなかったし、事の始末は自分でしているから…お咎めはなしということで』

「すまない、私のミスで…支えると言ったのにこの様だ…」

『日本に帰ってきてくれただけで心強いよ、ありがとう』

「…感謝する」


今日起きた地震で、あやめさんを取り逃がした。

吹っ切れていた筈の悪夢を、体はまだ忘れてくれない。


「羽影検事…聞きたい事があるのだが…」

『なに?』

「この事件を担当するゴドーとは何者だ?いつから検事になったのだ?」


その質問で、雨月の顔は一瞬にして強張った。
勾玉を持っていれば、さいころ錠が見えたに違いない。
…相当な量の。


『…コーヒー好きの腕のいい検事だよ。それ以上知りたかったら明日の法廷を見に来たらいい。きっと…成歩堂君が教えてくれる』

「今日の裁判までに連絡が取れなかった理由も知っているのか?」

『…………』

「どうやら…貴女の悩みの種は彼のようだな」

『…………』





彼女は何も答えず、困ったように笑うだけだった。







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