赤の似合う君と

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「おめでとうございますッス!」

『ありがとう、糸鋸刑事』

「いやもうびっくりッスよ、検事局2トップが結婚するなん…ん?」

「どうしたのだ?」

「もしかして…、御剣検事が2人になるッスか…?」

『ああ、そうだね』

「ややこしいッス!」



間もなくして籍を入れ、今の私は"御剣雨月"。


「あまりからかうのは如何かと思うが?」

『ふふ、ごめんなさい。局では旧姓のままで構わないからって、申請してあるから』

「よ、よかったッス」



とりあえず、身近な人々に報告に回っている。



………………………………………



「御剣が結婚なんて、信じられないんだけど」

「…私も成歩堂に娘がいたとは信じられないが」

「あのな!」



………………………………………



『お世話に、なりました』

「クッ、式の時は外出届け受理してくれよ?ゴドーブレンド奢ってやらなきゃな」

『ありがとうございます!』



………………………………………




『なんだか夢みたい』


自宅。彼と同じ部屋で。彼の隣で。ここ数日を思い返す。


「何がだ?」

『君と、同じ姓を名乗ることが』

「それは私もだ」

『何それ』


自然と零れた笑みに、彼もまた微笑み返す。

ずっとずっと、こんなふうに。

一緒に笑いあって。

一緒に支えあって。

一緒に歩んで生きたい。




赤の似合う君と。







(部屋の片隅で)


(いつかの白と赤のバラ)


(色褪せる事ないドライフラワー)


(どこか、微笑んだ気がした)








End.
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