*過去拍手文*

□おちつくの
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「せんせー 今日の夕飯なに?」

くんくん くんくん

「鰈の煮付けと菜の花の辛子和えです。」
「あまり甘くしないでね。」
「わかってますよ。薄味だし、砂糖も控えめです。」

流し台の前に立ち、茹でた菜の花に包丁を入れようとしたら
カカシが後ろから覗いてきた

「菜の花の辛子和え、美味しいよね。」

くんくん くんくん

「…はい。俺も好きです。」

カカシの両手はイルカの両肩に置かれ

くんくん くんくん

時折 イルカの肩口に鼻を近づけ匂いを嗅ぐ

「お腹すいたなぁ。仕事が無い日の方が腹が減りやすい気がする。」

くんくん くんくん

『て、なんで俺の匂い嗅いでんだよっ!?まだ風呂も入ってねえし。』

女の子じゃあるまいし、良い香りがする筈がない

「え〜と カカシさん。辛子取って貰えます?そこの小さい袋、粉辛子の。」

はーい と、イルカから離れ 戸棚の前に置いてある粉辛子の袋を持ってくる

「これ?」
「そうです。ありが…」

くんくん くんくん

イルカより少し背の高いカカシが、頭を少し下げて
イルカの肩辺りに鼻を近づけ匂いを嗅ぐ

『なんなんだよ‥匂いフェチ!?いやいや、他の匂いには無関心だよなぁ?』

しかし 今朝シャワーを浴びたとは言え

イルカはアカデミーで子供達と共に体術の授業を行っているので多少汗もかいている。

くんくん くんくん

「…カカシさん 座って待っててくださいよ。 てか、俺臭いますか?」

気になって そう訊ねると

「え?別に。なんで?」
「…いえ、先ほどから俺の肩辺りの匂いを嗅いでるから…。」

少し困り顔で聞くと、カカシはキョトンとしながら

「え?あ〜…そうだったね。…半分無意識だったけど。」

だって と、またイルカの肩を抱き

くんくん くんくん

「先生の匂いを嗅ぐと落ちつくんですよねぇ。」

匂いを嗅いで グリグリと おでこを擦り付ける

「落ちつくんですか?」

悪い気はしないけど…

「でも もう少しで支度も終わりますから、座っていてくださいね。」
「うん。わかった。」

チュッとイルカの頬にキスをして茶の間に戻っていった

『ふぅ〜 やれやれ。』

ああ言われちゃあ、悪い気はしないし嬉しい気もするが

『狭い台所で 鬱陶しいだなんて言えねぇしなぁ…。』

どうにも スキンシップらしい事が苦手なイルカは、少し頬を赤らめながら
そんなカカシも嫌いではないが…と
にやけ顔で粉辛子を水で溶くイルカであった。



 

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