※カカイル短編2※
□大きな子供
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「先生の足…あったかーいvvv」
冬になると、布団の中で
カカシさんの俺への引っ付き度が増す
「先生が居たら寒い夜も、へっちゃらです。」
そう言いながら 自分の足を俺の足に絡めてくる
「ぎゃー!冷たいっ!!内股に足入れんでくださいっ!!せめて脹ら脛にしろっ!!」
ちぇー と口を尖らせながら 俺の脹ら脛に冷たい足を付けて、カカシさんが暖をとる。
「てか、靴下履いて寝ればいいでしょう。」
「やーですよ。足が変な感じになる。普段履き慣れてないから余計。」
そして そのうち 「肩も寒い」「背中も寒い」と言い出し
いつの間にやら まぁるくなったカカシさんが俺の腕の中に居る。
「あったかーい。」
俺の胸に顔を付けているから、カカシさんを見ても銀髪の頭頂部しか見えない。
「せんせー パジャマ脱いでよ…。地肌の方が…」
「 却下!! 明日は俺早いんです!」
銀髪の下から「ちっ」と舌打ちが聞こえたが、聞かなかった事にしてやろう(俺って寛大)
そうして そのうち
銀髪の下からは静かな寝息が聞こえてくる。
でも 離れようとすると目が覚めるらしく
ムニャムニャした声で「まだ駄目…」と、俺のパジャマの胸元にしがみつく
この人は、まともに結婚して子供が出来たら
奥さんを本気で子供と取り合うんじゃないかと思う。
そんな想像をしたら可笑しくて、俺は思わずニヤケてしまう
可哀想に。きっと子供に軍配が上がるんだ。
俺は そっと彼の頭を撫でる
綺麗な銀髪をヨシヨシと優しく撫でてやる。
カカシさんが俺を選んでくれたのは
こうして独り占め出来るから‥ってわけじゃないだろうけど
一緒に居れる間は、うんと甘やかしてあげようと思う。
俺が母ちゃんに、奥さんに、安らぎの場になってあげるんだ。 僭越ながら…ね
「 !! ぐわぁーっ!離れろっ!馬鹿っ!!」
こいつっ!この馬鹿上忍!!
「パジャッ!パジャマの上から人のち、乳首舐めんなぁ!!」
ちっきしょー!起きてんじゃねえか!!
あっぶねぇー!変な声出るとこだった!
前言撤回!!甘やかしてばかりは良くないな!
「イルカ先生〜、こっち向いて寝てよ。」
「うるせえっ!俺は朝早いんだって言ったでしょうが!!もう寝ますよ!!」
ケチー ケチー と、暫く言ってたが 諦めたのか漸く静かになった。
諦めて寝てくれたか
そっと顔だけで振り返り、自分の肩越しにスヤスヤ寝ている彼を見る。
「 ん? 」
片手を伸ばして 俺のパジャマの裾を掴みながら寝ているようだった
『 子供みたい。 』
クスッと笑って
なんだか幸せな気分になって
大きな子供の寝息を聞きながら
俺も静かに目を閉じた。
終