捧げもの

□ 「Riddle」 ゆり様への捧げもの
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ゆりさんが描いたイルカ先生のイラストの
「もずく酢って飲み物じゃないんですか。」と言うセリフが気に入った私でした(笑)
イラストは下に貼ります。カカシのイラストも有りますv

***


酢の物が苦手って言う人いるよね。
俺のイルカ先生は混ぜ御飯以外は何でもござれの人なんで
酢の物もパクパク食べる。俺の分までパクパク食べる。

「口がさっぱりして美味しいです!」

なんて可愛い顔して食べてると、つい自分の分もあげたくなっちゃう。

そんな先生が一番好きな酢の物は「もずく酢」

たまにスーパーで安いパックのを買ってくるようで
三杯酢とか黒酢で味付けされたプリンの容器みたいのに入った もずく酢を
「うん!うまいっ!」って、デザート感覚で食事の最後に食べる。
食べるって言うか…

「ずぞぞぞぞ。」

ずぞぞぞぞ…って、ほとんど「飲んで」いる。

「もずく酢 うめー!」

うふふふ。可愛い。

「俺のも食べる?」
「いえ、大丈夫です。カカシさんも体に良いから飲んでください。」

ん? 飲んで?

やはり彼の感覚では「もずく酢」は「飲む」物なのだ。

確かに イルカ先生が買ってくる安いもずく酢は「飲める」

いつだか俺が料亭で食べた もずく酢は
もう少し歯ごたえがコリコリと有ったのだが。


そんな ある日
先生は中忍仲間と飲みに出た。
俺は家で大人しく留守番だ。
と言っても、終わり頃には迎えに行く気満々だけどね。

家で独り留守番ってのも暇なもんで
何度も読んだ愛読書を、一枚 また一枚とページをめくるものの
心 此処に在らずと言った俺は、チラチラと時計の針を見ては

『まだかな。飲み過ぎてないかな。楽しんでるかな。』

そう考えては、早く迎えに行って顔を見たくて仕方なかった。

「 来た! 」

先生が店の外に出ると此方に送られてくるよう
彼の髪の中に仕掛けた小さな式が戻ってきたのだ。

外は雪も降り始めているようだから、早く迎えに行ってあげなきゃ

玄関には鍵ではなく、ちょいと指を二本立てて結界を張っていく。
こんな時は忍者って便利。

先生が言っていた店へ向かうと、独りトボトボと此方へ歩いてくる姿が見えた。

「 先生!! 」
「………カカシさん。」

おや?元気がない?

「どうしたの?先生。何か有った?」

何処のどいつだ!!楽しいはずの飲み会で、先生に こんな顔させるなんて!!

すると先生がポツリと俺に聞いてきた。

「もずく酢は飲み物じゃないんですか。」
「 は? 」

ちらつく雪の中、鼻を赤くして此方を振り向いたまま「くすん。」と先生は悲しげだった。

「え〜と。飲み物…って聞かれると…違うかな〜…なんて。」
「 やっぱり!やっぱりカカシさんも敵だぁ!!」


え!? 敵!? いや、あの

「の、飲み物みたいに飲めるよね!先生いつも美味しそうに飲んでるもんね!?」
「今日のお通しが もずく酢だったんです。俺とカツキとヨコテが“飲み物をお通しで出されてもなぁ”って笑ったんです。」

なるほどね。酒飲むのに、更に飲み物出されてもね。

「そうしたらアワセ達が」

うーん。さっきから名前出されても誰が誰やら…。ま、いいか。

「もずく酢が飲み物って何だよ。“カレーは飲み物”って豪語している秋道一族かよ、お前ら。って」

秋道一族と俺達を馬鹿にしたんですぅ〜。えぐっえぐっ

先生、飲み過ぎると たまに泣き上戸になるんだよなぁ…
てか、先生を馬鹿にした奴ら…あとで天誅が降ります。

「もずく酢は、ほぼ飲み物だと俺も思います。だから機嫌なおして帰ろう、先生。」

ね?と 肩を抱いてやると、一緒に歩き出しはしたが

「カカシさん。“ほぼ”って何ですか。“ほぼ”って。」
「え!?あ、うん。いや、“飲み物”ですね!!」

焦って彼に合わせると

「…カカシさん。ここだけの話……実は俺も“ほぼ”飲み物だと思っていたりします。」

そう言い 俺の肩に頭を寄せてクスクスと笑った。

もう!! 可愛い人!! 今夜は寝かせないからね!!


「さ、早く帰りましょ!帰って二人で暖めあいましょうね!」

小さな雪がチラチラ降る中
「もずく酢はぁ、飲み物だぁ〜。」と即席の歌を歌う先生の手を取り

今度 俺が食べた料亭のもずく酢も食べさせてみたい。
こりこりした食感の もずく酢だって美味しいんだよ、と教えたい。

そう俺は思った。





イラストのカカシの言う「コメント」とは、上のイルカ先生のセリフに私が「もずく酢は、ほぼ飲み物」とコメント出した事を言ってます〜(笑)

 



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