捧げもの

□優しい庭
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私の日記の野バラの写真からイメージして
ゆりさんが素敵なイラストを描いてくださいました。
テンゾウことヤマトが、我が家の(!)野バラに囲まれ休んでいます。
手前には、これまた我が家の末にゃんこ「壱花」まで描いてくれていますv
(ありがとーゆりさん!!)
そして この絵から逆にイメージして、ひとつの短いお話を書かせて頂きました(^-^)
イラストとイメージが合えばいいなぁ。


   ***


 〈 優しい庭 〉



それは とある任務の帰り

その日の任務ったら、僕の木遁、木遁、木遁、
「テンゾウ!!」なんて先輩に頼まれては、予想以上の数の敵を
僕の木遁で次々と縛り上げて


『人使い荒いんだから‥先輩は。』

少々疲労感を感じながら、まだ明るい夕暮れ前の空の下
気配を消しながら民家近くの林の中を移動していた。 そんな時

『 … この香りは …』

風向きだろうか、時々ふうわりと風に乗り、僕の鼻腔をくすぐっていく
甘くて柔らかで包まれてしまいたい優しい香り。

そんな香りが持続的に香って来るわけでは無いのだが
時々ふうわりと漂ってきた。

『 花の… 香りだよね? 』

気になり 林から閑静な住宅街へと出てみる。

『あの家の庭からだ。』

林を出てすぐの道を渡った先に、緑の多い庭が有った。

『 野バラだ。 この香りだ。 』

まわりに人の気配が無いのを良いことに
僕は野バラが生い茂る庭に吸い寄せられるように近づき
ちょこんと野バラに囲まれるように、しゃがみ込んだ。

『 気持ちいい… 何だか癒やされる。 』

気のせいか、薔薇がこの疲れきった身体を包み込んで隠してくれている気もする

『まあ 有る意味 同族かな?』

へらっと力無く笑い、そのうち足も崩して静かに目を閉じ
そよ風に靡いて頬に優しく触れる野バラと、その香りに
ふうっと身を任せたのだが

 にゃあ

目の前に一匹の猫がやってきた。

「やあ、こんにちは。君の庭?」
「 にゃあ 」
「そうなんだ?ごめんね、少し休ませてくれる?」
「にゃあ…」

赤い首輪のその猫は、一定の距離を保ったまま
静かに此方の様子を見ているようだ。

ー あなたは だぁれ? ー

そう言っているように、時々小首を傾げ
キラキラとした丸い瞳を僕に向けていた。

そして 僕は野バラに身を任せて少しの間 英気を養うと
僕を見守るように香箱座りをした猫に

「ありがとう。元気になったよ。」

そう声をかけて立ち上がる

「 にゃ… 」

赤い首輪の猫は「どう致しまして。」と言うように弓形に目を細め
僕が立ち去る姿を静かに見ていた。

そうして 林に入る自分の体から仄かに野バラの香りが漂うと
また 薔薇の季節に あの庭の近くを通るようならば

今度は煮干しの一握りでも持って行こうと
くすりと笑って家路についたのだった。







お粗末様でした(´ω`)

 



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