捧げもの

□買い物デート
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今日はお休み。イルカ先生と一緒の休日だ。

本当なら部屋に籠りっきり、ベッドの中で
あーんな事や、こーんな事をしていたかったのだけど

「いろいろと買いたい物があるんで、今日は商店街へ買い物に行きますね。…カカシさんは?」

きゃー!野暮な人!行くに決まってるじゃないのよ!

「行きますよ〜。手繋ぎデートしましょ?」
「脚下します。ベタベタしてきたら許しません。」
「ちぇー。わかりまーしたっ。」

二人で買い物デート。
聞けば普段着なども買いたいとのことで
それならいっそのこと火の国ショッピングモールまで出掛けましょう!と提案した。

「カカシさん、同じような洋服一つでも商店街のほうが安く買えます。」
「えー?たまには質の良いものを買いましょうよ。俺が払うから、ね?」
「勿体ない。普段着ですよ?毛玉付こうが擦り切れようが構わない物でいいんです。」
「せんせーの箪笥に首回りが伸びたトレーナーとか毛玉スウェットとか入ってますもんね…。」
「まだまだ着れますからね。部屋着や寝間着として。カカシさんだって俺の勝手に着てるじゃないですか。」

いや それは先生のだからって事で。先生の匂いつきだからね。
俺にとっては どんなブランド品よりも光輝いて見えるからね。
毛玉スウェットでも。

「でも安物買いの銭失いですよ。駄目になったらまた買って、駄目になったらまた…てよりも良い品を長く…」

あ  めんどくせーって顔してトイレに行っちゃった。


そんなこんなで

渋る先生連れて火の国ショッピングモールまでやって来ました!


「沢山人が居ますねぇ。」

先生たらキョロキョロしちゃって、か〜わいいんだからっ!

そっと手を繋ごうと先生の左手に手を伸ばす

「あ!あのケーキ屋!」

ちっ 逃げられたか。先生の食いしん坊め。
同性愛には寛容な火の国なのにイチャイチャしなきゃ勿体ないでしょーがっ。
誰も気にしませんて。

「先生ケーキは帰りに買いましょうね。」
「俺モンブランが食べたい。」
「はいはい。帰りね。」

木の葉商店街とは違い建物の中だし、広いし綺麗だし人も多いしで
文句言ってたわりには先生ったら目を輝かせてキョロキョロしてる。

「カカシさん、ちょっとお茶でも飲んで休みましょうか。」
「 ? うん。疲れた?」
「いえ、喉が渇いて…」
「 ? 」

何だろう?先生ちょっと伏し目がち…


珈琲専門店に入り、二人でソファー席に座りコーヒーを口にする。

「どうしたの先生?元気無いけど。」
「やっぱ来なきゃ良かった…」

え?え? どーゆー事?

「まだ来たばかりだよ?」
「カカシさん…気が付きませんか?」

なにっ!誰かに付けられてるのか!?この俺とした事が!

「先生…敵は何人?」

こそりと彼に囁く

「何言ってんですか。カカシさんの鈍感。」
「 ?近くに居るの? 」
「有る意味俺にとっては皆が敵です。…カカシさん すれ違う人や、この店内の女の子から視線の集中砲火受けてるじゃないですか。」
「 え? 」

キョロ… と回りを見ると、目が合った途端に「きゃっ!」と真っ赤になったり
ササッと視線をそらしたり…

「素顔さらして来るからですよ。」
「だって里から離れての先生とのデートですもん。あんな野暮な物付けたくありません。」
「とにかく… さっさと買うもの買って帰りましょう。」
「あれ?もしかして…それってヤキモチ妬いてくれてる?」
「さあ!仕切り直しです!行きますよ!帰りにケーキは忘れずに!」

ズズーッ!と勢いよくコーヒーを飲み干し、ガタンとテーブルを鳴らして立ち上がった先生の耳は真っ赤だった。

ああ もう! 可愛い人!
この はたけカカシに買えるものなら何でも買ってさしあげますぅ―!

「さあ、カカシさんもさっさと飲んで!」
「はい、先生v」


ああ いっそのこと「あれも欲しい、これも欲しい。」と言ってくれたらと思うよ。
俺は先生の荷物持ちになります!
だから遠慮しないで言ってくれれば良いのにさ
先生たら欲しそうに見ているものでも、俺が横から見ると
ハッとした顔して商品手放して違うものを見出すんだ。
そしてそれらは普段イルカ先生が買うものよりは値段が高いものだったりする。
俺は彼に気づかれぬうちに素早く先生が気にして見ていた物を購入し、後日家に届くよう頼んでおくのだ。
そうでもしなきゃ遠慮しちゃって何も買ってあげることが出来ずに終わる。

『先生の喜ぶ顔見たいしね…。』

でもきっと 品物届いた日には叱られそうな気もするけどね〜。

「カカシさん行きますよ。」
「うん。 …(え?あれ?)」

後ろ手に伸ばした手で俺の手を握りしめ歩き出すイルカ先生

茶々入れるのは止めておこう。せっかく彼から繋いでくれたのだから。

「せーんせ、お昼は近くのレストランにでも行こうか?」
「フードコートのラーメンで充分!」
「…はーい…。」

ムードも何も有りゃしない。
でも そんな先生だから俺は大好きなんだと思う。


たまにいいかも買い物デート。先生が楽しそうだからいいか。


そして次回も口布無しで来る

先生がヤキモチ妬くのが楽しいからね。ふふっ








 



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