※カカイル短編3※

□朝の攻防戦
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ぽかっと目を覚ます

冬の朝は布団から出ている顔で気温の低さを感じとる
鼻が冷たい

でも布団の中はぽっかぽか 特に今は背中が温かい
恋人が背後からピッタリくっついて俺を抱き締め寝ているからだ

そんな幸せを噛み締めつつ今日はアカデミーも休みだし
目を覚ましてしまったけれど、もう少しこのまま眠っていようと決心する

だがしかし

『トイレ行きてぇ…。』

にわかに尿意をもよおす

『ああ…でも布団から出たくねぇ。寒いし、まだ横になっていたいし。』

多少の我慢なら出来るので暫くそのまま寝ている事にする

「…せんせ。」

カカシさんが目を覚ましたらしく俺を抱き締める腕にキュッと力を込めてきた

「お…おはようございます。」
「ん、おはよ。 …せんせ?」
「はい?」

こっち向けとか言うなよ。動きたくないし トイレ行きたいの我慢してるし

「せんせ…トイレ行きたいんじゃないの?」

 なっ

「なんで」
「クスッ… だってずっと足をモゾモゾ動かしているから。」

くそっ! バレちまった!

「めんどくさいから いーんです。」

そう言いながらもモゾモゾ足を動かす俺

「ダメだーよ。行っトイレ。」

くだらねー。 くだらねぇシャレ!

「寒いし動きたくないし。」
「何言ってんの、先生様が。我慢してると体に良くないよ。ほら行きなさいな。」

そう言い彼は俺を拘束していた腕をほどいて解放する

「大丈夫ですって。限界が来たら行きますから。」

マジまだ動きたくねぇ〜 寒いしっ

「はい、行っトイレ!」
「まだ… て、うわわわ!さみぃーっ!」

俺から掛け布団全てを剥ぎ取って、カカシさん一人が簑虫のように布団で丸くなった

「観念して行きなさい。早く行って早く戻って俺の胸に飛び込みなさい。」
「うるせぇー!カカシさんの意地悪!さみぃーっ!」
「クスクス…」

俺は漸く体を起こし、自分の体を抱き締めながらトイレへ直行した。

今朝は特に冷えているようだ。 雪 降るかな

トイレには窓がないので、今降っているのかいないのかは分からなかったが

「うぃー すっきりぃ。」

出しきってブルッと体を震わせ、スッキリ感に肩を落とす

手をよぉく洗って(戻ったら抱きつくからなっ!)
寒い寒いと言いながら寝室へ戻る

「ぐあー!寒かった!うへぇー。」

急いで布団の中へ入り、彼の胸の中で丸くなる

「 ん? 」

カカシさんの足がモゾモゾと…

「カカシさん。」
「はい?」
「トイレ 行っトイレ。」
「…やーです。せんせー戻って来たばっかりなのに。」
「あんたさっき俺になんつった。体に良くないとか何とか…」
「上忍の体は特別なんです。」

ギュウッと抱きついてくるカカシさんの膀胱辺りを拳で押してやる

「わあぁっ!やめて先生!出ちゃう!」
「なら早く行ってこい!」
「もう少し!もう少し先生の匂い嗅いでから!」
「なに変態じみた事を言ってる!早く行きなさい!おらっ!」
「だから!押すなって!」
「おらおら!」
「せんせーのバカっ!」
「漏らしてしまえ!エリート上忍!」
「意地悪ぅー!」



なんてさ  朝から馬鹿な攻防戦を繰り広げてる
馬鹿な大人二人です


カカシさんは半ベソでトイレへ走って行ったよ(笑)









 



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