∞シリーズもの3∞

□告白〜小鳥の恋/それから〜C
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カカシさんちでの夕飯はすき焼きだった。
「すき焼きがいいよね?どう?」と聞かれ、嫌だと返事するわけもなく即決だった。
カカシさんは肉屋で俺の目玉が飛び出る程の良い肉を購入。
内心驚いていた俺は店主を目の前に「もっと安いヤツで構いませんよ。」とは言えず口を閉じていた。
もちろん肉は美味くって「幸せ〜」と思わず口に出してしまった時にはカカシさんに笑われた。
「俺の存在は肉に負けたんですかね?」なんてクスクス笑いながら勝手に敗北感を背負っていたので
「カカシさんが負けるわけありません!」と断言してやった。
そして今、食後のコーヒータイムだ。二人でソファーに並んで腰掛け、コーヒーを飲みながら昼間の話の続きをしている。

「そう言えば小鳥の俺をわざわざ温泉宿に置いて任務に行かれた事がありましたよね?」
「ん?⋯ああ⋯うん、そうだね。露天風呂入った?」
「う⋯ は、入りましたけど⋯」
「そ、良かった。」

嬉しそうに笑って俺の肩を抱き寄せた。

「あの頃の先生は忙しそうだったからね。温泉にでも入って体を休めて欲しかったんだ。」

カカシさん、優しすぎる!大好き!うぉー!
と言う心の叫びは何ひとつ口にも顔にも出さずに「そうでしたか⋯」なんてカッコつけて微笑んでみせる俺。

「先生が幸せなら俺はそれだけで幸せ。」
「あ⋯あ、はいっ。」

やめてくれ〜 イケメンオーラ放ちながら顔近づけてニッコリと嬉しい事言ってくれるのは⋯ 反則だよ⋯
それに俺の肩を抱き寄せたカカシさんの手の温もりが俺を「心ここに有らず」状態にしている。
手が置かれた肩の部分だけスゲェ脈打ってる気がしてならない。

「!!!」

その肩に置かれていた手がフッと離れて不覚にもビクッと反応してしまった。

「もうこんな時間ですね。」
「は⋯はい。」

静まれ心臓!止まらない程度に静まれっ。

「途中まで送りますよ。」
「はいっ。え?」

え?とか言っちゃったけど、あれ?ここは普通お泊まりコースでは?

「?帰らないの?」
「あ、いえあの⋯。ははっ、そうですよねっ!」

木の葉マークの白ブリーフ履いてるくせに何期待してたんだ俺はっ!恥ずかしいじゃないか⋯
スクッと立ち上がり「か、帰ります!」と宣言し「ご馳走様でしたっ!」と深々と礼をした。

「!!!」
「先生ずるい⋯。」

気が付けば俺はカカシさんの胸の中。
礼をした後に頭を上げる途中で抱きしめられたらしい。

「ず⋯ずるいって?」
「俺はね、イルカ先生を大事にしたいの。だから今日だって夕飯済んでお茶でも飲んだら帰してあげようと思ってたのに。」

たのに?

「え?とか聞き返しちゃったりして⋯このまま俺と過ごす気が有るとしか思えない。」
「///あ、う、いえ、あの⋯。」

火照った顔で「それは⋯」だの「えっと⋯」だの言い淀んで狼狽えていると、唇を耳に近づけてカカシさんがしっとりとした声で言った。

「違うの?」

腰⋯ 腰砕けるかと思った。 その声がいつまでも耳元から離れないで声も出せずに固まっていると
更に「泊まってく?」と囁かれ、俺はコクンと頷いていた。

「イルカ⋯」

深く口づけられたかと思ったのも束の間、気がついたら俺はベッドの上だった。瞬身を使ったのだろう。

「カ⋯カカシさん、俺汗臭いかもっ。」
「構わないよ。」

上着の裾からカカシさんの手が入り込んできて俺の脇腹や胸に触れてくる。
そしてその手は次第に下の方へ⋯
はっ!白ブリーフ!!
キスしながらも思わずカッ!と目を見開くと、それに気がついたカカシさんも「?どうかした?」と聞いてきた。

「あ、あははは⋯すみません⋯大丈夫です。」
「そ?無理なら言ってね。」

その言葉に俺は首を横に振り「無理なんかありません。」と告げるとカカシさんは、はにかんだ様な笑みを浮かべて「うん。」と小さく答えてくれた。
大丈夫。俺の下着なんて気にしてる余裕は彼にも無いだろうし俺も気にしすぎだ。

「カカシさん⋯好き。」
「うん。」

泣きたいくらいに幸せだった。
こうなる日が来るとは夢にも思わなかったから。
肌と肌を合わせて互いの温もりを感じる。裸で抱き合って骨や肉の厚みを知る。
汗の匂い、息遣い、そして艶めいた声⋯


カカシさん 大好きです。
俺はもう貴方から離れられない。

ちっぽけな小鳥の恋は終わったんだ
今俺はカカシさんとひとつになる。






続く



 



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